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Kudan 3D-Lidar SLAM (KdLidar) 技術アップデート:マッピング・サーベイ領域における傾斜付きLidarセットアップでのSLAM

03.18.2021

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Kudan株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:項 大雨、以下Kudan)は、今後、当社技術の開発進捗や技術アップデートなどを積極的に発信してまいります。第一弾として、3D-Lidar SLAM※のニーズが特に高い領域の一つであるマッピング・サーベイ領域におけるKudan 3D-Lidar SLAM(以下、KdLidar)のユースケースが拡大していることを踏まえ、KdLidarの開発状況について一部紹介いたします。

3D-Lidar SLAMがマッピング・サーベイ領域でどのように価値を出すのか?

マッピング・サーベイ領域は様々なユースケースがあり、具体例としては、道路の点検、設備管理・メンテナンス、建設や工事現場での進捗管理、加えて近年では、デジタルツインなどが挙げられます。これらの市場規模は非常に大きく、また今後の成長が期待されています。Markets & Marketsのデータによると、地理情報ソリューションセクターは既に2,400億USドル以上の規模があり、2024年にかけて年平均13%の成長率が見込まれています※2。この領域で極めて重要な正確な点群図を作成するには、対象エリアをスキャンする際のLidarセンサによる正確な位置情報が必要です。

現在、多くのマッピング・サーベイ装置は、INS(Inertial Navigation System)と呼ばれるポジショニング装置を正確な位置把握のために用いています。しかし、高性能なINSは多くのユースケースにとって非常に高価で、求める品質とコストの両立が非常に難しいという課題が生じています。高性能な3D-Lidar SLAMは、そのような高コストなINSの課題を解決するのに非常に強力で、特にGPS精度の低い都市部・地下・屋内・トンネルなどで威力を発揮します。3D-Lidar SLAMを統合することで、複雑な環境下においても、より高品質な点群図の作成を可能にするほか、点群図の品質は維持したまま、INSのグレードを下げてセンサのコストを大幅に下げることも実現可能です。

KdLidar: 3D-Lidar SLAMの中でもセンサ種類・セットアップに対して特に高い柔軟性と安定性

下記のデモ動画は、アメリカのマッピング・サーベイソリューション会社のLiDARUSAの協力で得られたVelodyne社製『HDL-32E』で取得されたデータをもとに、KdLidarによる軌跡と点群図を作成したものです。こちらのデータの注目すべき点は、このデータが45°傾斜したLidarを用いて取得されたという点です(下記セットアップ図参照)。

KdLidarに関するデモ動画:

このLidarを傾斜させたセットアップは、道路点検などに適しており、マッピング・サーベイ領域ではよく用いられています。しかし、この傾斜させたセットアップは様々な距離にある構造物を捉えることが出来ず、一般的な3D-Lidar SLAMに用いるには難しいものとなります。

しかし、デモ動画が示しているように、KdLidarはこの難しいセットアップでも正しく動作し、様々なセンサ種類やセットアップに対しても高い柔軟性と安定性を確保しています。KdLidarも水平に取り付けられたLidarで最も優れた性能を発揮しますが、デモ動画のようなセットアップにおいて、他Lidar-SLAMソフトウェアよりも優れた性能を発揮することが期待できます。この柔軟性と安定性は、更に幅広いユースケースや企業へのアプローチが可能と見込んでいます。KdLidarの精度に関して、典型的な水平設置の事例、他の個別の事例の両方において好評を頂いております。

※:3D-Lidarセンサ情報から周辺環境マッピングと自己位置認識を同時にリアルタイムで行う技術。Lidarの普及に伴い自動運転・自律走行・マッピングといった領域での活用が進んでいる。

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