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VecowのホワイトペーパーにKudan技術が掲載されました

06.25.2021

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Kudanのパートナー企業の一社で、組み込みシステム、画像処理、インテリジェント・オートメーションの分野で業界をリードしているVecow Co., Ltd.(本社:台湾新北市、以下Vecow)のホワイトペーパーに、Kudan技術に関する内容が掲載されましたことをお知らせいたします。
ホワイトペーパーは全文英語のため、別添資料として掲載内容を公開いたします。

オリジナルのホワイトペーパー詳細(英語):
The Latest Intel Core Processors Drive SLAM in Next-Gen AMRs

Vecowとのパートナーシップに関する詳細:
KudanとArtisense、Vecowとパートナーシップを締結。統合ソリューションを提供し、自律移動ロボット(AMR) におけるアプリケーション開発の加速化を目指す。

Vecowとの自律移動ロボット(AMR)の共同試作機の公開に関する詳細:
KudanとVecow、自律移動ロボット(AMR)の共同試作機を一部公開

 


最新のIntel®︎ Core™ プロセッサによるSLAMで次世代の自律移動ロボット(AMR)を実現

次の産業革命―インダストリー5.0―では、協働ロボット(通称、コボット)を活用しながら、生産効率を向上させることが期待されています。コボットは、従来のロボットとは異なり、ワイヤなどのインフラストラクチャ、安全区画などを必要とせず、人間と一緒に安全に作業・移動することが可能です。これは、製造業から倉庫、ヘルスケアなど、様々な分野に当てはまるでしょう。

今日の最先端のコボットは、車輪や脚、プロペラなど様々な移動方式がありますが、いずれにしても、自律移動ロボット(AMR)の技術が必要不可欠となっています。AMRには数多くのサブシステムが使用されていますが、なかでも、人工知覚は最も高度な技術であり、ゼロから開発するには多大な時間とコストが発生してしまいます。

人工知覚の根幹技術であるSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)は、コボットに周囲の環境を認識させ、空間認識も可能にする技術です。一般的には、その技術が深層学習アルゴリズムの基盤にもなっており、工場や病院など、人間と共有しうるあらゆる空間において、コボットが自由且つ安全に動き回れるようサポートします。

様々なタイプのSLAMがセンサとの組み合わせで、コボットが自分の位置や周囲の環境を認識できるようになります。人工知覚技術を提供しているKudanの子会社、Kudan USAのCEOである村井太郎は、「この人工知覚と人工知能(AI)のアルゴリズムを融合させることで、コボットは、A地点からB地点までの移動ルートを独自に計画するだけでなく、アクセル、ブレーキ、ステアリング(舵取り)などの動作をコントロールすることができます」と述べています。

図1:VHub ROSは、状況に応じ迅速に経路を最適化する高度なVSLAMとナビゲーション機能を提供可能

SLAMの種類

AMR型コボットに搭載されている高度なSLAMには、Direct Visual SLAMとIndirect Visual SLAM、3D-LidarベースのSLAMがあります。なお、2D-LidarベースのSLAMは、これまでも利用されていますが、使用できる環境には、環境変化が少ないこと、3次元的な動きがないことなどの制約が多く存在します。それぞれのSLAMには、カメラ、加速度計(IMU)、GPS、ToFカメラ、Lidarなどの異なるセンサを活用しており、これらのセンサが収集したデータは、ソフトウェアによって処理され、障害物の回避や経路計画を可能にするマッピングや自己位置推定を実行します。

Direct Visual SLAMは、CPUの処理能力やカメラの性能が向上したことで、より高精度な3D点群地図を実現します。これにより、特徴の少ない環境のほか、変わりやすい天候や照明環境下においても、堅牢性に優れたトラッキングが可能になります。

Indirect Visual SLAMについては、センサで収集したより限定した特徴点を活用しており、一般消費者向けのコンピュータやモバイルデバイスでも、リアルタイムで地図作成が可能です。一方で、Direct Visual SLAMによる地図作成は、屋外や特徴の少ない環境でありつつ変化に富んだ風景に対して堅牢性が求められるユースケースにおいて、特に優位性を発揮します。このような従来のSLAM技術を深層学習と組み合わせることにより、例えば、マッピング・自己位置推定の過程での動的な対象物の検出・除外の実行など、AMRの適応事例における堅牢性がさらに強化されることが期待されます。

3D LidarベースのSLAMは、レーザーを素早く照射し、その反射を測定しながら、X、Y、Z軸方向の計測をリアルタイムに行い、3Dの空間データを収集することで、位置や距離推定の精度を高めています。なお、より高い精度と生産性を実現するためには、最適なSLAMの種類とセンサ構成を選択する必要があります。

例えば、Kudanは、先進的な3種類のSLAMを、ミュンヘンに本社を構えるKudanのグループ会社であるArtisenseと共に、Kudan GrandSLAMソフトウェアとしてパッケージ化しています。Kudan USA CEOの村井は、「その柔軟性と幅広い構成オプションにより、高価ないし複雑なセンサを必要とせずとも、商用グレードの性能が実現可能です」と述べています。メリットとしては、主に、高精度、短い処理時間、強固なシステムの安定性、地図の拡張性(スケーラビリティ)、統合におけるシンプルさ、そして、クロスプラットフォームにおける高い互換性などが挙げられます。

GrandSLAMソフトウェアによる情報をベースに、その上に、経路計画と制御機能が搭載されています。センサが収集したデータを処理し、コボットが自分の位置や障害物の位置などを含む空間を認識しながら、安全に移動するほかに、様々なタスクを実行できるようにサポートします(図2)。

図2. Kudan GrandSLAMソフトウェアは、精度を向上させるために、各コボットの適応事例に最適なSLAM提供が可能

ゲームチェンジャー:AMR開発キット

AMR市場に参入したばかりの開発者にとっては、コボットの構築には高額な初期費用と専門知識を得るための多額の時間的投資が必要となります。しかし、開発を容易にするためのソリューションが用意されています。

「VHub ROS開発キットは、そのようなハードルを乗り越えるのに役立ちます」とVecowのプロダクトマネージャーであるKev Wang氏は述べています。「この開発キットは、AMRを構築するための堅牢で、安全性・安心性・信頼性に優れたワンストップの一気通貫型のソリューションを提供しており、AIのトレーニング時間を30%も短縮することが可能です。また、SLAMソフトウェアの他に、4つのAIモデルを同時にサポートし、実装・統合に要する時間を1/3に短縮します。」

本開発キットは、クラウドベースのコンピューティングシステム、センサ、ソフトウェアをサポートしており、Vecowのパートナーとの実証済み商用グレードのソリューションが付属して提供されています。さらに、VHubロボットオペレーティングシステム(ROS)ソリューションの一部である本キットは、IntelまたはNVIDIAのいずれかのプロセッサに対応しており、ROS2フレームワークと、空間認識とロボット制御用のSDK、及び常に結果がプログラム実行のたびに変化しない確定的なEtherCATネットワークが含まれています(図3)。

図3. VecowのVHub ROSソリューションは、幅広い分野でコボットの開発時間の短縮に貢献

Wang氏は続けて、「このキットは、コストを削減しつつ、開発プロジェクトの成功率を高め、産業向け用途における多くの分野でコボット開発の実現を可能にするとともに、必要な開発人員を削減し、製品開発における効率性を向上させています」と述べています。

Perception SDKはソフトウェアの統合時間を短縮

VHub ROSソリューションに含まれるPerception SDKは、開発時間を短縮し、高い信頼性を維持するために必要不可欠なものであり、KudanのGrandSLAMソフトウェアのような、SLAMライブラリを実装するためのROS2フレームワークを含むソフトウェア・パッケージを統合しています。なお、そのSLAMライブラリは、直接APIでの形式、ROSラッパー、いずれの形でも提供可能です。

Perception SDKでは、コンピュータービジョンAIとロボット制御機能を提供しています(図4)。このSDKには、トレーニングエンジンと推論エンジンが組み込まれており、200以上もの学習済みAIモデルをサポートしているほか、ニューラルネットワークの最適化と高速化を実現するNVIDIAの技術とIntelのOpenVINOツールキットにも対応しています。また、このSDKには、リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)をサポートするロボット制御コンポーネントが含まれており、リアルタイムでの動作、アクチュエーション、I/O制御、そして、時間確定性イーサネット(EtherCAT)における通信などの開発が可能になります。

「高い信頼性という面では、センサドライバをはじめとするソフトウェアコンポーネントが業界標準の認証を受けていることも大きな理由の一つです。そのなかには、RTOSも含まれています」とWang氏は言います。「また、Intelの産業向けエッジ・コントロール・プラットフォームとの互換性により、Perception SDKを用いて開発された様々なIT/OTアプリケーション間の相互運用性とポータビリティ性を実現しています。

図4. Perception SDKは、ソフトウェアの統合及び検証時間を短縮

ハードウェアの選択で開発を効率化

開発プロセスをさらに簡素化するために、開発者は、Perception SDKを実行するVHub ROSソリューションを搭載したハードウェアを選択することができます。これにより、複数のセンサやソフトウエアのインプットを取り込みつつ、いくつかの周辺機器にコマンドを出力できる低遅延のコントローラを備えたAMR技術を活用することで、様々なコボットの構築が容易になります。その結果、マルチタスクや処理負荷などによらない一貫性のあるオペレーションに優れ、安全性と信頼性が向上したコボットの実現が期待できます。

また、各オプションについては、Direct Visual SLAMないしIndirect Visual SLAM、3D Lidar SLAMなどのKudan GrandSLAMソフトウェアと連携できるように十分な処理能力とメモリが用意されています。

図5. VHub ROSは、実績のあるハードウェア、ソフトウェア、ツールを単一のプラットフォームに統合し、AMRのさまざまな要件に最適化した3種類のキットとして提供

AMRに実装する際には、「VHR SPC-7000 Series Starter Kit」「VHR ABP-3000 Series Development Kit」「VHR ECX-2200 PEG Series AI-Driven Kit」など、Vecowの一連の製品が選択肢として存在します(図5)。Starter Kitでは、超小型のファンレス組込みボックスに第11世代のInter Core i7/i5/i3プロセッサ(Tiger Lake)を搭載しています。また、1-GigE LANや2.5-GigE LAN、10-Gbit USBなどの標準的なI/Oを搭載しています。

Development Kitでは、第8世代Intel Core Uシリーズ・プロセッサ(Whiskey Lake)を、超薄型のファンレス組込みボックスに格納されています。2つのPoE+のチャネル付きの4つのGigE LANポート、1つのMini PCIeポート、2つのDDR4ソケットを備えています。最後に、Ai-Driven Kitでは、ワークステーショングレードの第10世代のIntel Xeon/Core i9/i7/i5/i3プロセッサと、NVIDIA Tesla/Quadro/GeForceグラフィックス、4つのPoE+チャネル付きの6つのGigE LANポート、2つのフロントアクセスSSDトレイを搭載しています。なお、3つのプラットフォームはいずれも、産業用途に適した広い温度範囲で動作可能です。

多様なユースケースで需要拡大

より多くの分野でコボットのニーズが高まるにつれ、SLAMベースのAMRプラットフォームの需要が高まることになります。ピックアンドプレース、パッケージング、パレタイズ(荷物の積み上げ)などを行うコボットによる倉庫やサプライチェーンでの最適化は重要な適用領域ですが、他の多くの業界でもこの技術の価値が認められています。医療用のコボットは、臨床現場や研究室で働くことができ、プロセス用のコボットは、接着、ドリル、溶接を行うことができます。工作機械用のコボットについては、機械の搬入・搬出を行うことが可能で、フィニッシング用のコボットは、研削・デバリング・研磨、マシンビジョンを搭載したコボットは品質検査を行うことができます。

非常に多くの適応事例があり、今後も増えることが予想されるため、SLAMとAMRの分野に参入するベンダーが増えています。そこで、VecowはAMRの研究開発に投資するだけでなく、他の企業との提携を進めています。Kudanのほかには、PLUG-IN Electronic、Foxconn、Innocon、Compal communications、Virtuoso RoboticsやHPC Systemsなどがあります。

図6. VHub ROSは、包括的なエコシステムを備えたスマートなAMRソリューション

「SLAMとAMRが産業を変革する可能性はまさに無限大です」とWang氏は述べています。「そして、私たちはこの技術に携わることができて大変光栄です。」

詳細については、Vecow HP(www.vecow.com)にてご確認ください。
お問い合わせ先は、info@vecow.comまで。


 

【Kudan株式会社について】
Kudan(東証上場コード: 4425)は機械(コンピュータやロボット)の「眼」に相当する人工知覚(AP)のアルゴリズムを専門とするDeep Tech(ディープテック)の研究開発企業です。人工知覚(AP)は、機械の「脳」に相当する人工知能(AI)と対をなして相互補完するDeep Techとして、機械を自律的に機能する方向に進化させるものです。 現在、Kudanは高度な技術イノベーションによって幅広い産業にインパクトを与えるDeep Techに特化した独自のマイルストーンモデルに基づいた事業展開を推進しています。
詳細な情報は、Kudanのウェブサイト(https://www.kudan.io/?lang=ja)をご参照ください。

■会社概要
会 社 名:Kudan株式会社
証券コード:4425
代 表 者:代表取締役CEO 項 大雨

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