Kudan、自律走行ロボット(AMR)向けVisual SLAMソフトウェアのROSパッケージ『KdVisual2 ROS for AMR』の提供開始
09.15.2022
様々な機器に人工知覚/SLAM技術を提供するKudan株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:項 大雨、以下Kudan)は、自律走行ロボット(Autonomous Mobile Robot、AMR)のユースケースに特化した新バージョンのVisual SLAMソフトウェアパッケージ『KdVisual2 ROS※1 for AMR』の提供を開始しましたのでお知らせいたします。Kudanは、日々進化する市場ニーズに迅速に対応し、顧客に更なる価値を提供するべく、Kudan VIsual SLAM(KdVisual)ソフトウェアの大幅なアップデートに取り組んでまいりました。すでに複数のクライアント企業と共に機能及びパフォーマンス性能を検証しており、非常にポジティブなフィードバックを得られています。
従来の2D-Lidar SLAM搭載AMRが直面する困難な課題を解決するKdVisual2のROSパッケージ
AMRは、産業用にますます需要が高まっており、倉庫や工場を含む多くの場面で導入が進んでいます。現在、これらのAMRの多くは、2D-Lidarを使用したSLAMでナビゲーションの動作を行なっています。一方で、AMRのユーザーやOEMは、全体的な生産性やオペレーションの効率性を向上させる更なる機会を探しているものの、2D-Lidar SLAMベースのアプローチでは限界に直面しているのが現状です。代表的な課題としては、以下のようなものが挙げられます:
- 風景・環境の変化:倉庫や工場などの現場風景がオリジナルマップ作成時と異なる場合、AMRは自己位置を認識することが難しい。
- 動的な物体:ロボットの周辺に動く物体が多数存在する場合、ロボットは自己位置を認識しづらくなる。
- グローバル・リローカリゼーション(補助情報なしでの初期位置推定):ロボットの電源を切って(移動して)しまうと、あらかじめ設定した限られたポイントにいる時以外は、自己位置を認識できないものが多い。
KdVisual2は、他センサとの融合、独自のアルゴリズムの構築、様々な動作モードの実現により、AMRが上述の課題を克服できるように開発されています(こちらのYoutubeチャンネルより、デモの一例をご覧いただけます)。また、既に搭載されている2D-Lidar SLAMシステムにKdVisual2を追加するか、2D-Lidar SLAMをKdVisual2に置き換えるかのいずれも選択することができます。
ロバスト性・精度・ハードウェア仕様など、業界の厳しい要求に応える『KdVisual2 ROS for AMR』
Visual SLAMは、以前から「次世代」のSLAMアプローチとして注目を集めてきました。しかし一方で、オープンソースベースのアプローチでは、AMRアプリケーションの必須要件、特にロバスト性やハードウェア仕様等における要件を充分に満たしていないため、まだ実用的ではないとの見方も多くあります。
これまでのKudanのVisual SLAM(KdVisual)は上述要件を既にクリアしていたものの、KdVisual2ではパフォーマンス性能が格段に向上しています。
- 絶対精度*:2D-Lidar SLAMよりも高精度
- 繰り返し精度:1cm以内の繰り返し精度を実現
- ロバスト性*:風景が変化する状況や動く物体が存在する場合でも、高い精度を維持
- 処理速度:ORB-SLAM 2と3より2倍〜10倍高速化を実現
- メモリ使用量*:ORB-SLAM2と3の10%~20%のみに抑える事に成功、メモリ使用量をある設定値以上大きく使用しないように制限するメカニズムを有する
* これらが従来に比べて大きく性能が向上した項目
補助ファイルやドキュメントのサポートにより、KdVisual2の圧倒的な統合速度の実現が可能
最後に、この全く新しいパッケージの重要な点は、パフォーマンス性能のみならず、使いやすさが従来のバージョンに比べて格段に向上していることです。顧客のAMRシステムにKdVisual2を統合する際に、大幅なチューニングとその繰り返し、トラブルシューティングを必要としないように、ソフトウェアとドキュメンテーションをパッケージに組み込んでいます。事前にAMR用途に最適なパラメータを提供するとともに、SLAMと一緒にROSナビゲーションモジュールを使用することで、障害物の検出と回避において課題が発生しないよう顧客をサポートします。
KdVisual2は、顧客のご要望に応じて、既存の2D-Lidar SLAMシステムのアドオンとしても、その置き換えとしてもご利用いただけます。また、現在、ROS NoeticとMelodicに対応しており、10月初旬にはROS2にも対応する予定です。
本パッケージの詳細やパッケージの試用については、ぜひお声掛けください。
※1:Robot Operating System(ロボットオペレーティングシステム)の略で、ロボット開発において広く使われているシステム
【Kudan株式会社について】
Kudanは、機械(コンピュータやロボット)の「眼」に相当する人工知覚(AP)のアルゴリズムを専門とするDeep Tech(ディープテック)の研究開発企業です。人工知覚(AP)は、機械の「脳」に相当する人工知能(AI)と対をなして相互補完するDeep Techとして、機械を自律的に機能する方向に進化させるものです。現在、Kudanは高度な技術イノベーションによって幅広い産業にインパクトを与えるDeep Techに特化した独自のマイルストーンモデルに基づいた事業展開を推進しています。
詳細な情報は、Kudanのウェブサイト(https://www.kudan.io/jp/)をご参照ください。
■会社概要
会 社 名: Kudan株式会社
証券コード: 4425
代 表 者: 代表取締役CEO 項 大雨
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