News

Kudan Visual SLAM (KdVisual)ユーザー適用事例: マルチカメラSLAM

10.30.2023

Share on

このブログでは、KdVisualの強力な機能の一つである「マルチカメラSLAM」を紹介します。

デモ動画はこちら

屋内・屋外での自律走行ロボット(AMR)、フォークリフト、芝刈り機、低速移動車両、自動車などの自律移動アプリケーションにおいて、正確で安定した位置推定能力とコスト競争力の向上を図るために、ビジュアルSLAMの導入ニーズが増加しています。カメラ画像からの様々な情報により、カメラベースの位置推定は、2D-Lidarや3D-Lidarベースの位置推定を補完し、一部のユースケースではLidarなしで独立して機能することもあります。ビジュアルSLAMの利点は明らかですが、同時にいくつかの課題もあります。例えば、オペレーターやダンボール箱によってカメラの視野が妨げられる場合や、カメラが視覚的な特徴のない白い壁を向いている場合などがあります。 私たちはこれらのビジュアルSLAMの典型的な課題を克服する複数の方法を利用しています。

  1. カメラを設置する際に、視野が遮られるリスクを最小限に抑えるように配置(例:上向きに向ける)
  2. 2D-Lidar、3D-Lidar、IMU、車輪オドメトリとカメラ画像の入力を組み合わせて、より多くのセンサー統合を実現し、SLAMシステムに組み込み
  3. ロボットに搭載された複数のカメラを活用し、システム全体としての視野を大幅に拡大。この手法を「マルチカメラSLAM」と呼んでいます。

デモ動画では、KdVisualのマルチカメラSLAM機能を紹介しています。この機能は、3つのステレオカメラ(Intel Realsense D455)からの入力を使用しています。ビデオでは、時折、1つのカメラが白い壁を向いており、画像からほとんどの視覚的特徴点が抽出されていません。センサー統合せずにこのカメラだけでビジュアルSLAMを行った場合、ロボットは自己位置を完全に見失うでしょう。しかし、他の2つのカメラには豊富な視覚的特徴点が捉えられており、SLAMシステムは正確な位置推定を維持することができます。

この機能は、2D-Lidarを搭載した既存のAMRを強化したい場合、特により安定した位置推定やオペレーションの柔軟性・効率性を向上させるのに非常に有効です。なぜなら、周囲の環境変化に対してより安定した位置推定が可能なので、ロボット用の地図の更新頻度を抑えられるからです。多くの既存のAMRには、主に物体検出に使用される複数のカメラが備わっているため、AMRメーカーは新しいハードウェア構成を設計・構築する必要はありません。単にソフトウェアを更新するだけで、この強力なビジュアルSLAM機能を追加できます。

マルチカメラSLAM機能の処理要件に関して言えば、KdVisualのソフトウェアパイプラインは、非常に少ないリソース消費と軽量処理のために最適化されています。当社の内部ベンチマーク試験によると、KdVisualは1個のIntel® N100プロセッサーで4台のステレオカメラを同時に20fps(フレーム/秒)で動作させることも可能です。これにより、システムはKdVisualのマルチカメラSLAM機能によってもたらされる堅牢性の恩恵を受けながら、省電力で低コストの処理ハードウェアを採用することができます。

ベンチマーク試験構成:
CPU: インテル® プロセッサー N100 (4コア、4スレッド/インテル第12世代 Eコア)
RAM: 8GB
カメラ: インテル® Realsense D455 4台
解像度: 848 x 480
フレームレート: 20fps

もしもKudanのマルチカメラSLAM機能を試してみたいと興味をお持ちであれば、お問い合わせください。当社の高度なKdVisualシステムを使用して、AMRアプリケーションを推し進めていく取り組みを喜んでサポートいたします。

■お問い合わせ先はこちら

Share on

Recent Posts