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Kudan、次世代XR放送を支える革新的カメラトラッキングソリューション「Kudan VANTAGE™」をリリース

11.13.2025

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〜 Fox Sports による実績ある採用を基盤に、グローバル放送市場への展開を開始 〜

Kudan株式会社(本社:東京都、CEO:項 大雨、以下「Kudan」)は、高精度・リアルタイムの6自由度(6-DoF)カメラトラッキングによりXR放送およびライブプロダクションを革新する、先進のハードウェア/ソフトウェア一体型ソリューション「Kudan VANTAGE™」を正式にリリースしました。本ソリューションは、当社にとって商用放送市場への本格的な参入を示す重要な一歩となります。

1.ソリューション概要

ライブスポーツ中継において、フィールドに正確に固定されたバーチャルライン、選手の横に自然に浮かぶスタッツ、あるいは観客がその場にいるような臨場感を生むカメラアングルなど、XRを活用した表現はテレビやデジタル配信の新たな標準になりつつあります。Kudan VANTAGEは、こうした次世代放送体験を実現する基盤技術です。

本システムは、60fps以上で動作する高精度・リアルタイム6-DoFカメラトラッキングを提供し、フォトリアリスティックなXRオーバーレイやLEDウォール制御を、測量セットアップやビーコン、外部光学設備なしで実現します。

スタジアム、アリーナ、コンサートホール、バーチャルスタジオにおけるワイヤーカム、ドローン、モバイルリグなど、複数カメラを単一座標系に統合し、一貫した空間精度とシームレスなカメラ切替を可能にします。

2.主な特徴およびこれまでの手法との違い

画像提供:FOX Sports

  • 高頻度 6-DoF トラッキング
    Kudan独自のSLAMアルゴリズムと特許取得の高周波数センサーフュージョン技術を活用し、3D LiDARとIMUを組み合わせて最大59.94Hzの安定したポーズ更新を実現。ライブ放送に求められる精度・低遅延要件に対応します。
  • インフラ不要の運用
    光学マーカー・ビーコン・外部参照設備は一切不要。
    会場でのマッピングとキャリブレーションは30分以内で完了し、作成されたマップは同一会場で再利用可能です。

  • 簡易セットアップ
    必要なのは、カメラ搭載の3D LiDAR+IMUおよびVANTAGEを搭載した処理PCのみ。

  • 直感的なユーザーインターフェース
    リアルタイム可視化機能、自動重力・地面検出、マッピング品質維持のための各種フィードバックを提供します。

  • 複数カメラへのスケール対応
    全カメラを単一座標系で同期させ、滑らかな視点遷移とマルチアングルでの没入感ある演出を可能にします。

3.提供モデル

Kudan VANTAGEは、放送用途に最適化された ソフトウェア+ハードウェア一体型パッケージ として提供します。

  • ハードウェア
    • 高性能3D LiDARセンサー
    • IMU(慣性計測装置)
    • リアルタイム6-DoF計算に最適化された処理PC

いずれもカメラに直接搭載でき、空間位置推定に必要な全データを取得します。
ハードウェアは買い切り型で、長期にわたる運用が可能です。

  • ソフトウェア
    • Kudan独自のSLAMベーストラッキングとセンサーフュージョン
    • リアルタイムポーズストリーミング機能
    • 放送CGパイプラインやバーチャルプロダクションシステムとの連携機能

ソフトウェアは年額サブスクリプションとして提供され、アップデート・性能向上・技術サポートを含みます。

これにより、放送局・システムインテグレーターは、最小限の統合作業で即戦力のXRカメラトラッキング環境を構築できます。

4.ワークフロー

Kudan VANTAGEは、ライブ放送の厳しい要求に応えるため、迅速なセットアップと高信頼運用を実現する3ステップ構成となっています。

A. マッピング
カメラが稼働する会場の空間マップを作成。
UI上でリアルタイムのガイドとフィードバックが提供され、オペレーターが変わっても品質を維持できます。

B. マップ整合
作成したマップをユーザーの座標系に整合させます。
VANTAGEは重力方向と地面を自動認識し、仮想グラフィックスとの整合を素早く調整できます。

C. トラッキング開始
準備済みマップを選択し、トラッキングを開始。
システムはリアルタイムの6-DoFポーズデータを即時に放送用グラフィックスエンジンへ送信し、ライブXRオーバーレイを実現します。

この効率的なワークフローにより、現場チームは数分でセットアップから本番運用まで移行できます。

5.顧客導入事例

Kudan VANTAGEはすでに世界最大級の放送現場で高い実績を示しています。

米国 Fox Sports および SkyCam との協業において、2025年2月開催の NFL「Super Bowl LIX」(ニューオーリンズ/Caesars Superdome)にて採用され、世界中の視聴者に向けて没入型XRグラフィックスを提供しました。

その後の実績を踏まえ、Fox Sportsは2025年NFLシーズン向けに、Kudan VANTAGEを中継車に常設システムとして正式採用し、ライブ中継における安定した高精度トラッキングを継続して活用しています。

画像提供:FOX Sports

6.今後の展望

Kudanは、VANTAGEの機能拡張やバーチャルスタジオ連携を進め、世界的スポーツイベントやライブエンターテインメントへの展開を加速します。
技術的精度と運用スケーラビリティの両立を図ることで、次世代放送における新たな基準を確立してまいります。

 

【Kudan株式会社について】
Kudanは、現実空間とデジタル空間を結びつける空間知覚アルゴリズムの研究開発と技術提供を通して、ロボティクス・自動運転・デジタルツインなどの次世代ソリューションの進化をリードしています。英国発祥のグローバル企業であり、革新的な人工知覚(機械の眼)を中核として、人工知能の適応をデジタル空間から現実空間に新たに拡張させ、あらゆる産業における自動化・無人化・遠隔化を後押しすることで、社会課題の抜本的な解決と生産性の飛躍的な向上を目指しています。
詳細な情報は、Kudanのウェブサイト(https://www.kudan.io/jp/)をご参照ください。

■会社概要
会 社 名:Kudan株式会社
証券コード:4425(東証グロース)
代 表 者:代表取締役CEO 項 大雨

■お問い合わせ先はこちら

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